JdbcTemplate
は、Spring FrameworkのSpring JDBC
モジュールに含まれるクラスで、データベース操作を簡単に行うためのテンプレートクラスです。主に、SQLを直接記述してデータベースへアクセスする際の煩雑な処理(接続管理や例外処理など)を簡略化し、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる目的で使用されます。
現場で動作しているプログラムではめったに見ませんがJDBCドライバを直接利用する場合、SQLを発行するのに以下のように前処理、後処理が発生するのですがこれらめんどくさい事をやってくれます。ゆえにテンプレートクラスと呼ばれているのだとおもいます。
1.接続取得: Connectionオブジェクトの作成
2.クエリ実行: PreparedStatementやStatementの利用
3.リソース解放: ResultSetやConnectionの明示的なクローズ
主な機能
- データの検索 (
query
メソッド) - データの更新 (
update
メソッド) - データのバッチ処理 (
batchUpdate
メソッド)
JdbcTemplateの特徴と利点
- 接続管理の簡略化:
JdbcTemplate
は、データベース接続の取得・解放を自動で行います。 - 例外処理の統一: SQL例外をSpringの統一例外に変換し、より扱いやすくしています。
- コードの簡略化: SQL文を記述するだけでデータベース操作ができ、冗長なコードを減らせます。
使用例
例えば、データベースから名前を取得する場合、以下のように記述できます:
// まずはjdbcTemplateクラスをインポート
import org.springframework.jdbc.core.JdbcTemplate;
String sql = "SELECT name FROM users WHERE id = ?";
String name = jdbcTemplate.queryForObject(sql, new Object[]{1}, String.class);
また、更新を行う場合もシンプルに記述可能です:
String sql = "UPDATE users SET name = ? WHERE id = ?";
int rows = jdbcTemplate.update(sql, "New Name", 1);
JdbcTemplateの設定
JdbcTemplate
を使用するには、まずDataSource
(データベースへの接続情報)を設定し、それをJdbcTemplate
に渡す必要があります。Spring Bootでは、DataSource
の設定をapplication.properties
で行うことができるため、設定は比較的簡単です。
JdbcTemplate
は、シンプルなSQL操作が中心のアプリケーションや、ORM(例えばJPA)ほどの複雑なマッピングが不要な場合に非常に便利です。